会議後の議事録作成、そしてそこからTODOリストを抜き出す作業は、時間がかかり抜け漏れも発生しがちです。本記事では、その面倒な作業をAIで自動化する方法を解説します。結論として、ChatGPTに適切なプロンプト(指示文)を与えることで、誰でも簡単かつ高精度に議事録から担当者や期限を含むTODOリストを自動抽出できます。この記事を読めば、コピペですぐに使えるプロンプトテンプレートから、抽出精度を上げるコツ、さらにはNotion AIといった他の便利ツール、セキュリティ上の注意点まで、議事録のタスク化を効率化する全知識が手に入ります。面倒な手作業から解放され、チーム全体の生産性を飛躍的に向上させましょう。
議事録からのTODOリスト作成はなぜ面倒なのか

会議が終わった後、山のような議事録を前に「ここからやるべきこと(TODO)を抜き出すのか…」と、ため息をついた経験はありませんか?会議で決まったネクストアクションを明確にし、プロジェクトを前進させるためのTODOリスト作成は、極めて重要な作業です。しかし、多くのビジネスパーソンにとって、この作業は時間と手間がかかる面倒なタスクの代表格となっています。
単に「面倒」と一言で片付けられがちですが、その背景には複数の要因が複雑に絡み合っています。なぜ私たちは、議事録からのTODOリスト作成をこれほどまでに負担に感じてしまうのでしょうか。その構造的な問題を深掘りしてみましょう。
情報量の多さと判断の連続が引き起こす疲弊
議事録からのタスク抽出が困難な最大の理由は、処理すべき情報の多さと、その過程で求められる高度な判断力にあります。手作業によるタスク化のプロセスには、見えにくい障壁がいくつも存在します。
膨大なテキストの中から宝探しをするような作業
1時間に及ぶ会議の議事録は、数千から数万字に達することも珍しくありません。その中から「誰が」「何を」「いつまでに」行うのかというタスクに関連する情報を探し出す作業は、まるで広大な砂漠で小さな宝石を探すようなものです。
特に、活発な議論が交わされた会議ほど、重要な決定事項が会話のあちこちに散在しがちです。発言の文脈を追いながら議事録全体を何度も読み返し、関連情報を一つひとつ拾い集める必要があり、多大な時間と集中力を消耗します。
「決定事項」と「単なる意見」の切り分けの難しさ
議事録には、正式に決定されたタスクだけでなく、検討段階のアイデア、個人の意見、参考情報など、様々なレベルの情報が混在しています。これらを正確に切り分けるには、会議の背景や文脈を深く理解していなければなりません。
例えば、「〇〇についても検討した方が良いかもしれない」という発言が、単なるアイデア出しなのか、次回の会議までの宿題(TODO)なのかを判断するのは非常に困難です。この判断を誤ると、不要なタスクをリストアップしてしまったり、逆に重要なタスクを見落としてしまったりする原因となります。
手作業に潜むヒューマンエラーのリスク
どれだけ注意深く作業を行っても、人間が手作業で行う以上、ミスを完全になくすことはできません。このヒューマンエラーのリスクが、TODOリスト作成の精神的な負担をさらに大きくしています。
避けられない転記ミスとタスクの抜け漏れ
議事録からタスク管理ツール(例: Asana, Trello, Backlogなど)へ情報を手入力する際には、様々なミスが発生する可能性があります。
- 転記ミス:担当者名や期限の数字を打ち間違える。
- コピペミス:タスク内容の一部をコピーし忘れる、あるいは余分な情報までペーストしてしまう。
- 抜け漏れ:複数のタスクが連続して記載されている箇所で、一つを見落としてしまう。
たった一つの抜け漏れやミスが、プロジェクト全体の遅延やトラブルに直結する可能性があるため、作成者は常に強いプレッシャーを感じながら作業にあたることになります。
担当者と期限の特定という探偵のような作業
会議の会話では、「じゃあ、これ、誰かお願い」「なるべく早めに進めておいて」といった曖昧な表現が使われることが頻繁にあります。議事録作成者は、これらの曖昧な表現から、前後の文脈や参加者の役割を考慮し、「Aさんが」「来週の金曜日までに」といった具体的な担当者と期限を特定・補完しなければなりません。
この作業は、議事録のテキストを読み解くだけでなく、会議中の雰囲気や非言語的なニュアンスまで思い出す必要があり、非常に高度な読解力と洞察力が求められます。
これらの面倒な作業とそれに伴うリスクをまとめたのが以下の表です。
| 作業フェーズ | 具体的な面倒な点 | 発生しがちな問題 |
|---|---|---|
| 情報読解 | 長文の議事録を最初から最後まで読み返す必要がある。タスクに関連する発言が散在している。 | 時間の大幅なロス、集中力の消耗 |
| 内容判断 | 決定事項、アイデア、意見を文脈から正確に切り分ける必要がある。 | 不要なタスクの生成、認識の齟齬 |
| 要素特定 | 曖昧な表現から「担当者」と「期限」を特定・補完する必要がある。 | タスクの責任者が不明確になる、期限設定の遅れ |
| 転記・入力 | タスク管理ツールへの手作業でのコピー&ペーストや入力作業。 | 転記ミス、入力ミス、タスクの抜け漏れ |
このように、議事録からのTODOリスト作成は、単なる事務作業ではなく、読解力、判断力、注意力、そして責任感が求められる知的労働です。だからこそ、多くの人が「面倒」で「時間がかかる」と感じ、自動化による効率化を強く求めているのです。
ChatGPTで議事録のTODOを自動抽出する3つのメリット
会議が終わった後、議事録を読み返しながら手作業でTODOリストを作成するのは、時間もかかり、見落としのリスクも伴う面倒な作業です。しかし、ChatGPTのような生成AIを活用することで、このプロセスは劇的に変わります。議事録のテキストをAIに入力するだけで、関連するタスクを自動で抽出し、リスト化してくれるのです。ここでは、ChatGPTを使って議事録からTODOを自動抽出することがもたらす3つの具体的なメリットを詳しく解説します。
| メリット | 主な効果 | 解決される課題 |
|---|---|---|
| 時間の短縮 | 議事録の確認・転記作業が不要になり、数分から数十分の作業を数十秒に短縮できる。 | 議事録作成後のタスク整理にかかる時間的コスト |
| タスクの抜け漏れ防止 | AIが議事録全体を網羅的に解析し、人間が見落としがちなタスクも客観的に拾い上げる。 | ヒューマンエラーによる重要タスクの見落としや認識漏れ |
| チーム全体の生産性向上 | 会議後すぐに正確なTODOリストを共有でき、チームの動き出しが早くなる。 | タスクの認識齟齬や共有の遅れによるプロジェクトの停滞 |
メリット1 時間の大幅な短縮
最大のメリットは、タスク抽出にかかる時間を圧倒的に短縮できる点です。従来の方法では、会議の議事録担当者やプロジェクトマネージャーが、完成した議事録を最初から最後まで読み返し、「誰が」「何を」「いつまでに」行うのかというアクションアイテムを手作業で探し出し、スプレッドシートやタスク管理ツールに一つひとつ転記する必要がありました。30分の会議の議事録であっても、この作業には10分以上かかることも珍しくありません。
一方、ChatGPTを活用すれば、議事録のテキストデータをコピー&ペーストし、「TODOリストを抽出してください」といった簡単な指示(プロンプト)を与えるだけで、わずか数十秒でタスクリストが生成されます。これにより生まれた時間は、より重要度の高い戦略的な業務や、創造性が求められる仕事に充てることができ、個人の業務効率を飛躍的に高めます。
メリット2 タスクの抜け漏れ防止
人間が手作業でタスクを抽出する場合、どうしても見落としや解釈の誤りといったヒューマンエラーが発生するリスクがあります。特に、長時間の会議や議論が白熱した場面では、会話の中に埋もれた重要な決定事項や、口頭での「〇〇さん、これお願いできますか?」といった細かな依頼を聞き逃したり、議事録から拾い忘れたりすることがあります。
ChatGPTは、人間のような集中力の低下や思い込みとは無縁です。与えられた議事録のテキスト全体を網羅的かつ客観的に分析し、文脈からタスクと判断される箇所をすべて洗い出してくれます。「〜を検討する」「〜について調査する」「〜までに報告する」といった表現を的確に捉え、アクションアイテムとしてリストアップしてくれるため、タスクの抜け漏れを限りなくゼロに近づけることが可能です。これにより、プロジェクトの遅延やトラブルを未然に防ぎ、計画通りの進行をサポートします。
メリット3 チーム全体の生産性向上
TODOリストの自動抽出は、個人の効率化に留まらず、チーム全体の生産性向上にも大きく貢献します。会議終了後、すぐに正確なTODOリストが生成され、関係者全員に共有されることで、参加者間の認識のズレを防ぎ、迅速なアクション開始を促します。
また、誰がタスクを抽出してもAIによって標準化された品質のリストが作成されるため、タスク管理の属人化を防ぐことができます。これにより、チームメンバーは「次は何をすべきか」を明確に把握でき、会議後の無駄な確認作業や指示待ちの時間がなくなります。「議事録からタスクを洗い出す」という心理的負担から解放されることで、メンバーは会議の内容そのものや、次の具体的なアクションに集中できるようになります。結果として、チームの連携がスムーズになり、プロジェクト全体の推進力が向上するのです。
【実践編】ChatGPTで議事録からTODOリストを抽出する基本ステップ
ここからは、実際にChatGPTを使って議事録からTODOリストを自動で抽出する具体的な手順を3つのステップに分けて解説します。専門的な知識は不要で、誰でもすぐに試せる簡単な方法です。この章を読むだけで、面倒なタスクの洗い出し作業から解放されるでしょう。
ステップ1 議事録のテキストを準備する
まずはじめに、ChatGPTに読み込ませるための議事録データを用意します。AIが内容を正確に理解できるよう、テキストデータを少し整えるのが成功の秘訣です。
最も手軽なのは、会議の議事録が書かれたWordやGoogleドキュメント、メモアプリなどから全文をコピーする方法です。また、近年利用が広がっているAI文字起こしツール(例: Notta, CLOVA Noteなど)で作成されたテキストデータも、そのまま活用できます。
テキストを準備する際には、以下の点に注意すると抽出の精度が向上します。
- 誤字脱字を修正する: AIが文脈を誤解する原因となるため、可能であれば事前に簡単な校正を行いましょう。
- 話者を明確にする: 「佐藤部長:」「鈴木さん:」のように、誰の発言か分かるように記載しておくと、担当者の特定が容易になります。
- 個人情報や機密情報を削除・マスキングする: 社外秘の情報や個人名など、セキュリティ上問題のある情報は、ChatGPTに入力する前に必ず削除または仮名に置き換えてください。
準備が整ったら、そのテキストデータをクリップボードにコピーしておきましょう。
ステップ2 ChatGPTにTODO抽出を依頼するプロンプト入力
次に、コピーした議事録テキストをChatGPTに貼り付け、TODOリストの抽出を依頼します。このとき重要になるのが「プロンプト」と呼ばれる指示文です。どのようなプロンプトを使うかによって、出力される結果の質が大きく変わります。ここでは、コピー&ペーストしてすぐに使える2つのテンプレートを紹介します。
コピペで使える基本のプロンプトテンプレート
まずは、シンプルに「やるべきこと(TODO)」だけをリストアップしたい場合の基本的なプロンプトです。議事録からタスクの要点だけを素早く把握したいときに便利です。
このテンプレートでは、「命令書」「制約条件」「入力テキスト」の3つの要素に分けて指示を出すことで、ChatGPTが役割と目的を正確に理解しやすくなります。これにより、指示に忠実な結果が得られやすくなります。
担当者と期限も同時に抽出するプロンプト
より実用的なタスク管理を行うためには、「誰が」「いつまでに」という情報が不可欠です。次のプロンプトは、タスク内容に加えて「担当者」と「期限」も同時に抽出し、表形式で整理するよう指示するものです。
このプロンプトを使うことで、抽出結果をそのままスプレッドシートやタスク管理ツールにコピー&ペーストしやすくなり、タスク化のプロセスを大幅に効率化できます。
ステップ3 抽出されたTODOリストを確認しタスク化する
ChatGPTが出力したTODOリストは、必ず最後に人間の目で確認する工程を挟みましょう。AIは非常に優秀ですが、100%完璧ではありません。文脈の誤解や、重要なニュアンスの取りこぼしが発生する可能性も考慮しておく必要があります。
以下のチェックリストを参考に、内容を精査してください。
- タスク内容の正確性: 抽出されたタスクの内容は、議事録の意図と合致しているか。
- 担当者の割り当て: 担当者は正しく割り当てられているか。複数名が関わるタスクではないか。
- 期限の妥当性: 設定された期限は現実的か。日付や曜日に間違いはないか。
- 抜け漏れの有無: 口頭で合意したものの、明示的に「TODO」と書かれていないタスクが漏れていないか。
確認と修正が完了したら、そのリストを正式なタスクとして管理します。多くのチームで利用されているAsana、Trello、Microsoft To Doといったタスク管理ツールに登録したり、共有のスプレッドシートに転記したりすることで、チーム全体の進捗管理がスムーズになります。
例えば、ChatGPTが以下のような表を出力した場合、これを元に各タスク管理ツールへ入力していきます。
| No. | タスク内容 | 担当者 | 期限 |
|---|---|---|---|
| 1 | 新機能Aの要件定義書ドラフトを作成する | 田中 | 2024年10月15日 |
| 2 | B社への提案資料のデザインを修正する | 鈴木 | 2024年10月11日 |
| 3 | クライアントへの次回定例会議の日程を調整する | 佐藤 | 2024年10月10日 |
| 4 | 競合製品Cの価格調査を行う | 要確認 | 要確認 |
このように、AIによる自動抽出と人間による最終確認を組み合わせることで、議事録からのタスク化作業の生産性を飛躍的に向上させることが可能です。
議事録のTODO自動抽出の精度を上げるプロンプトのコツ
ChatGPTを使って議事録からTODOリストを抽出する際、基本的なプロンプトでもタスクを抜き出すことは可能です。しかし、少しの工夫でその精度は劇的に向上し、より実用的なリストを自動で作成できるようになります。ここでは、プロンプトエンジニアリングのテクニックを活用し、AIの能力を最大限に引き出すための3つの具体的なコツをご紹介します。
誰が何をするのかを明確にする指示
議事録の中には、「〜を検討する」「〜が必要かもしれない」といった曖昧な表現が含まれることがよくあります。このような表現をChatGPTがタスクとして正確に認識し、担当者と紐付けるためには、プロンプトで抽出のルールを明確に定義することが重要です。
具体的には、「誰が(担当者)」「何を(タスク内容)」「いつまでに(期限)」という3つの要素を必ず抽出するように指示します。これにより、単なるキーワードの羅列ではなく、実行可能なアクションアイテムとしてTODOを整理できます。
【プロンプト改善例】
悪い例:
「この議事録からTODOを抽出して。」
良い例:
「以下の議事録から、【担当者】【タスク内容】【期限】の3つの要素を含むアクションアイテムをすべて抽出してください。決定事項やネクストステップに関する記述に特に注目してください。もし担当者や期限が明確でない場合は、それぞれ『要確認』と記載してください。」
このように具体的な指示を与えることで、ChatGPTは議事録の文脈を深く理解し、責任の所在が明確なタスクリストを作成しようとします。タスクの抜け漏れを防ぎ、会議後のスムーズなアクションにつながります。
表形式やリスト形式で出力させる
抽出されたTODOリストが長文のテキストで返ってくると、内容を把握しにくく、タスク管理ツールへの転記も手間がかかります。プロンプトで出力形式を指定することで、視認性が高く、再利用しやすい形で結果を得ることができます。
代表的な出力形式として、マークダウン記法を用いたリスト形式や表形式がおすすめです。特に表形式は、各項目が整理され、一目でタスクの全体像を把握できるため非常に便利です。また、CSV形式を指定すれば、スプレッドシートや多くのタスク管理ツールに直接インポートすることも可能になります。
【出力形式を指定するプロンプト例】
リスト形式の場合:
「抽出したTODOリストを、マークダウンの箇条書き(- 担当者: 〇〇, タスク: 〇〇, 期限: 〇〇)の形式で出力してください。」
表形式の場合:
「抽出したTODOリストを、マークダウンの表形式で出力してください。列の項目は『No.』『タスク内容』『担当者』『期限』としてください。」
このプロンプトによって、以下のような整理された表が出力されます。
| No. | タスク内容 | 担当者 | 期限 |
|---|---|---|---|
| 1 | 新機能Aのワイヤーフレーム最終版を共有 | 佐藤 | 2024年8月15日 |
| 2 | クライアントBへの見積書送付 | 鈴木 | 2024年8月12日 |
| 3 | 次回の定例会議の日程調整 | 田中 | ASAP |
このように出力形式をコントロールすることで、抽出後の情報を手動で整形する手間を省き、業務効率を大幅に改善できます。
議事録の背景や専門用語を事前に与える
ChatGPTは膨大な知識を持っていますが、あなたの会社のプロジェクト固有の背景や、専門用語、社内でのみ通用する略語までは理解していません。これらの情報が不足していると、タスクの意図を誤って解釈したり、重要なアクションを見逃したりする可能性があります。
精度を高めるためには、プロンプトの冒頭でChatGPTに役割を与え、必要なコンテキスト(背景情報)をインプットすることが非常に有効です。これにより、ChatGPTは特定の文脈に沿った思考で議事録を読み解くようになります。
【背景情報を与えるプロンプト例】
「あなたは『新商品X開発プロジェクト』の優秀なアシスタントです。これから入力する議事録は、このプロジェクトの週次定例会のものです。以下の情報を前提として、TODOリストを抽出してください。
- プロジェクトの目的:2024年12月の新商品Xのローンチ
- 登場人物:鈴木(PM)、佐藤(開発担当)、田中(デザイン担当)
- 専門用語の定義:
- 「PoC」:Proof of Concept(概念実証)を指します。
- 「UI/UX」:ユーザーインターフェースとユーザーエクスペリエンスを指します。
—(ここに議事録のテキストを貼り付け)—
上記の前提情報を踏まえ、マークダウンの表形式でTODOリストを作成してください。」
毎回同じような背景情報を入力するのが手間な場合は、ChatGPTの「カスタム指示(Custom Instructions)」機能にあらかじめプロジェクトの概要や用語を登録しておくことで、プロンプトを簡潔に保つことができます。事前の情報提供を徹底することで、AIの理解度が深まり、人間が見ても納得感のある、精度の高いTODOリストの抽出が実現します。
ChatGPT以外も便利 議事録のTODO自動抽出ツール

ChatGPTは非常に柔軟で高機能ですが、議事録の作成からTODOリストの抽出、タスク管理までをよりシームレスに行いたい場合、専用のツールや普段使っているツールに組み込まれたAI機能を活用するのも賢い選択です。ここでは、ChatGPT以外の便利な選択肢を2つのカテゴリに分けてご紹介します。
文字起こしからタスク化まで一貫して行えるツール
会議の音声データや動画データから、文字起こし、議事録の要約、そしてTODOリストの自動抽出までをワンストップで実行できるAIツールが注目されています。これらのツールを使えば、会議後の面倒な作業を大幅に自動化し、生産性を飛躍的に向上させることができます。特に、Web会議が主流となった現代の働き方に最適なソリューションです。
ここでは、日本国内で広く利用されている代表的なツールをいくつかご紹介します。
| ツール名 | 主な特徴 | 特に便利なシーン |
|---|---|---|
| Rimo Voice | 日本語に特化した高精度なAIによる文字起こしが強み。話者分離機能や、文字起こし結果からワンクリックで要約やTODOリストを生成する機能が搭載されています。 | インタビューや重要な商談など、発言内容を正確に記録し、かつ迅速にネクストアクションを整理したい場合。 |
| AI GIJIROKU | リアルタイムでの文字起こしに対応し、会議中に議事録が完成していくのが特徴です。30カ国以上の言語に対応した翻訳機能も備えており、グローバルな会議にも活用できます。 | 多言語が飛び交う会議や、会議終了と同時に議事録とタスクリストを共有したいスピード重視のチーム。 |
| toruno | Web会議に特化したツールで、会議中の画面キャプチャと文字起こし、音声を自動で記録します。「あの資料のどの部分で誰が何を話したか」を後から簡単に振り返ることができます。 | 画面共有でデザインや資料のレビューを行う会議。視覚情報と発言内容をセットで確認しながらタスクを洗い出したい時。 |
これらの専用ツールは、録音データから直接タスクを抽出するため、聞き間違いや解釈のズレによるタスクの抜け漏れを防ぐ効果も期待できます。多くは無料トライアルを提供しているため、自社の会議スタイルに合うかどうかを試してみることをお勧めします。
Notion AIを活用したTODOリスト抽出方法
すでにチームの情報共有やタスク管理にNotionを利用している場合、Notionに標準搭載されている「Notion AI」を活用するのが最も効率的です。議事録の保管場所とタスク管理の場所が一体化しているため、ツール間を移動する手間なく、シームレスに作業を進められます。
Notion AIを使ったTODOリストの抽出は非常に簡単です。
- Notionのページに議事録のテキストを貼り付けます。
- テキストを選択するか、新しい行で半角スペースキー(または `/ai` と入力)を押してNotion AIを呼び出します。
- 「この議事録からTODOリストを表形式で抽出して」「アクションアイテムを洗い出し、担当者と期限を記載してください」といったプロンプトを入力します。
- AIがTODOリストを生成します。生成されたリストは、そのままNotionのデータベース(タスク管理ボードなど)にドラッグ&ドロップで追加でき、担当者や期限、ステータスといったプロパティをすぐに設定できます。
この方法の最大のメリットは、情報の分断を防げる点にあります。議事録の文脈を確認しながらタスクの進捗を管理できるため、チーム全体の認識齟齬を減らし、プロジェクトのスムーズな進行をサポートします。ChatGPTで抽出したリストをわざわざ他のタスク管理ツールに転記する手間が省けるため、日々の業務効率を大きく改善する一手となるでしょう。
ChatGPTで議事録を扱う際のセキュリティ上の注意点
ChatGPTは議事録からのTODOリスト抽出に非常に便利なツールですが、ビジネスで利用する上ではセキュリティリスクを正しく理解し、適切な対策を講じることが不可欠です。特に、議事録には社外秘の情報や個人情報が含まれるケースが多いため、安易な利用は重大な情報漏洩につながる可能性があります。ここでは、ChatGPTを安全に活用するための具体的な注意点を解説します。
機密情報や個人情報を直接入力しない
最も基本的かつ重要な注意点は、機密情報や個人情報をChatGPTに直接入力しないことです。議事録をそのままコピー&ペーストすると、意図せず以下のような情報が外部に送信されてしまうリスクがあります。
- 顧客の会社名、担当者名、連絡先
- 未公開の製品情報や開発計画
- 業績や財務に関する内部情報
- 従業員の個人情報や人事評価に関する内容
- 取引先との契約内容や金額
OpenAIのポリシーでは、ユーザーが入力したデータは、サービスの改善やAIモデルの学習に利用される可能性があります。一度学習データとして利用されると、他のユーザーへの回答として生成されてしまう可能性もゼロではありません。このようなリスクを避けるため、議事録をChatGPTに入力する前には必ず情報の匿名化や抽象化を行いましょう。
対策:情報の匿名化・抽象化を行う
機密情報や個人情報を含む部分を、具体的な意味が分からないように一般的な言葉に置き換える作業です。これにより、文脈を維持したままTODO抽出の依頼ができます。
【置き換えの例】
- 「A社の田中様」 → 「[顧客A]の[担当者B]様」
- 「新製品『Project Phoenix』」 → 「[新製品X]」
- 「来週の役員会議で報告する」 → 「次回の[定例会議]で報告する」
- 「山田部長」 → 「[上長]」
この一手間を加えるだけで、情報漏洩のリスクを大幅に低減させることができます。
ChatGPTのデータ利用設定(オプトアウト)を確認する
ChatGPTには、入力したデータをAIの学習に利用させないようにする「オプトアウト」設定が用意されています。利用形態によって設定方法やデフォルトの仕様が異なるため、必ず確認しておきましょう。
無料版(Webブラウザ版)の場合
Webブラウザから利用する無料版およびChatGPT Plusでは、設定画面からデータが学習に使われることを防ぐことができます。「Settings」内の「Data controls」にある「Chat history & training」をオフにすることで、入力した会話データがモデルの学習に利用されなくなります。ただし、この設定をオフにすると会話履歴が保存されなくなるため、過去のやり取りを見返すことができなくなる点には注意が必要です。
API経由での利用の場合
システム開発などで利用されるAPI経由でのChatGPT利用は、デフォルトで入力データが学習に利用されない仕様になっています。OpenAIは、APIを通じて送信されたデータをモデルのトレーニングには使用しないと明言しています。そのため、セキュリティを重視するビジネス利用では、API連携を前提としたツールや自社システムを構築することが推奨されます。
| 項目 | 無料版・Plus版(Webブラウザ) | API経由での利用 |
|---|---|---|
| 学習データへの利用 | デフォルトでオン(オプトアウト設定可能) | デフォルトでオフ(利用されない) |
| 会話履歴の保存 | オプトアウトすると保存されない | 利用しないため履歴は残らない |
| 主な用途 | 個人利用、一般的な情報収集 | 業務システムへの組み込み、法人向けツール |
会社のセキュリティポリシーやガイドラインを遵守する
個人の判断でChatGPTを利用する前に、必ず所属する組織のセキュリティポリシーや生成AI利用に関するガイドラインを確認してください。企業によっては、業務における生成AIの利用自体を禁止していたり、利用できる情報の範囲を厳格に定めていたりする場合があります。
特に、以下の点については、社内の情報システム部門やセキュリティ担当部署に確認することが重要です。
- 業務データ(議事録を含む)を外部のAIサービスに入力することの可否
- 利用が許可されているAIツールの種類
- 入力してはならない情報の具体的な定義(例:個人情報、顧客情報、技術情報など)
- 利用時の申請や承認プロセスの有無
社内ルールを無視した利用は、情報漏洩インシデントにつながるだけでなく、就業規則違反として懲戒処分の対象となる可能性もあります。必ず組織のルールに従って、安全に利用しましょう。
セキュリティが担保された法人向けサービスの利用を検討する
より高いレベルのセキュリティとガバナンスが求められる場合は、個人向けサービスではなく、法人利用を前提として設計されたサービスの導入を検討するのが賢明です。これらのサービスは、データ保護やアクセス管理機能が強化されています。
ChatGPT Enterprise
OpenAI自身が提供する最上位の法人向けプランです。入力されたデータがAIの学習に利用されることはなく、通信や保存データの暗号化(AES-256およびTLS 1.2+)、シングルサインオン(SSO)によるアクセス管理、利用状況を把握できる管理コンソールなど、エンタープライズレベルのセキュリティ機能が提供されています。
Azure OpenAI Service
Microsoftのクラウドプラットフォーム「Azure」上で提供されるサービスです。Microsoftの堅牢なセキュリティ基盤上でChatGPTなどのモデルを利用でき、入力データが学習に利用されることはありません。また、Azureの閉域網接続サービス(VNet)と連携させることで、インターネットを経由せずにセキュアな環境でAIを利用することも可能です。多くの日本企業で導入実績があり、信頼性の高い選択肢と言えます。
まとめ
本記事では、ChatGPTを活用して議事録からTODOリストを自動で抽出し、タスク化する方法を解説しました。これまで手間がかかっていた議事録の整理とタスク管理は、適切なプロンプトを用いることで、誰でも簡単かつ迅速に行えるようになります。
ChatGPTによるTODOの自動抽出は、「大幅な時間短縮」「タスクの抜け漏れ防止」「チーム全体の生産性向上」という明確なメリットをもたらします。これは、面倒な手作業から解放され、より本質的な業務に集中するための強力な解決策です。
ご紹介したコピペで使えるプロンプトテンプレートを基本に、「担当者と期限を明確にする」「表形式で出力させる」といったコツを実践することで、抽出精度はさらに向上します。また、Notion AIなどのツールも目的に応じて活用することで、業務フローは一層スムーズになるでしょう。
ただし、機密情報や個人情報を含む議事録を扱う際は、セキュリティポリシーを必ず確認し、安全な利用を心がけてください。この記事で紹介した方法を実践し、日々の業務効率を飛躍的に向上させましょう。
